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2021年11月24日 15時00分 配信

「炭素鉱物化」、新たな可能性を世界に提起。国際会議ICEF、COP26にてロードマップを発表。

ICEF運営事務局
各種団体
加速するカーボンニュートラルにも、さらなるイノベーティブな進化へ

2021年11月24日(水)
経済産業省
国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202111173487-O7-PN6ha60l

国際会議「Innovation for Cool Earth Forum(ICEF)」は、気候変動対策に向けたエネルギー・環境分野のイノベーションにより気候変動問題の解決を図るため、世界各国の閣僚や各分野をリードする有識者、指導者を招き、学界・産業界・政府関係者間の議論と協力を促進するための、日本政府が主導する国際的なプラットフォームです。革新的な施策によって気候変動問題を解決することをミッションとし、「東京ビヨンド・ゼロ・ウィーク」の一環として、2021年10月に開催されました。
 国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)の公式サイドイベント「Transitioning towards low-carbon and climate resilient pathways by 2050」および、ジャパンパビリオンにおいて、ICEFのステートメントおよびロードマップのプレゼンテーションを行いました。
https://www.youtube.com/watch?v=E1mkwmBL09o

ICEFロードマップ「炭素鉱物化(Carbon Mineralization)」
ICEFでは毎年、二酸化炭素利用や、二酸化炭素の直接空気回収(DAC)、産業用途熱の脱炭素化、BiCRS(BECCS含む)など、長期的ネット・ゼロ・エミッションを牽引することが期待される技術を採り上げ、そのロードマップを作成しています。
今回のロードマップでは、これまであまり注目されてこなかった「炭素鉱物化」を取り上げています。「炭素鉱物化」とは、二酸化炭素(CO₂)が岩石に結合し固体鉱物となり、大気中からCO₂を永久に除去する自然のプロセスです。
「炭素鉱物化」は特定の岩石(苦鉄質や超苦鉄質の岩石で、玄武岩、黒雲母、かんらん岩など)がCO2および水と反応する自然なプロセスであり、このプロセスによってエネルギーを投入することなくCO2を無害な鉱物として固定することが可能です。「炭素鉱物化」には、世界の国々に分布している自然の鉱石に加え、セメントや鉄鋼スラグといった産業廃棄物も利用可能であり、世界の数十ヶ国において実施が可能と考えられます。また、粉砕した鉱石を土壌に散布することで炭素鉱物化プロセスを促進するとともに、農地の肥料や土壌改良材としての副次的な効果も期待できます。世界のCO2排出量は約335億トン*とされているなか、「炭素鉱物化」を促進することで、2050年には数10億トンのCO2削減ポテンシャルが期待されます。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202111173487-O5-1F26o8lS

*EDMC/エネルギー・経済統計要覧2021年版:2018年の排出量。ICEF運営事務局調べ。

国際会議 Innovation for Cool Earth Forum(ICEF)
公式サイト https://www.icef.go.jp/jp/
Youtube ICEFチャンネル https://www.youtube.com/channel/UC7ouNL9NbvDomDTfiubi8iw

2021年10月6日、7日に開催した、第8回年次総会(ICEF2021)では、2050年のカーボンニュートラルに向けた具体的かつ現実的な議論に焦点を置き、さらに、2030年までの短期的、2050年への長期的タイムスケールにおける、あらゆるステークホルダー、政府、企業、個人それぞれの視点からの不可欠なアクションやイノベーションについて、世界の第一人者が 11のセッションにおいて議論を実施。政府、国際機関、産業界、学術界から、87カ国・地域の2,000人以上が参加。"Pathways to Carbon Neutrality by 2050; Accelerating the Pace of Global Decarbonization "をメインテーマとした一連の議論を踏まえ、ステートメントの発表、長期的ネット・ゼロ・エミッションを牽引することが期待される技術のロードマップのドラフトを公開。ICEF2021の様子はYoutubeでも視聴が可能。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202111173487-O6-61N8jjvr

COP26(第26回気候変動枠組条約締約国会議:英国・グラスゴー 2021年10月31日~11月12日)では、国内外の脱炭素移行に向けて、官民合わせて一丸となって取り組む我が国の取組や環境技術を国内外に発信するため、日本企業等による展示やセミナーを実施するジャパン・パビリオンおよびオンライン上で日本企業の展示等を行うヴァーチャル・ジャパン・パビリオンが設置された。ICEFは、公式サイドイベント「Transitioning towards low-carbon and climate resilient pathways by 2050」および「ジャパン・パビリオン」において、2021年10月6日、7日に開催した第8回年次総会におけるステートメントおよびロードマッププロジェクトの発表の場として参加。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202111173487-O8-d3INWXBw

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202111173487-O9-k0E12A15

ステートメント
ステートメントは、ICEF2021が提示したカーボンニュートラル実現に向けた具体的、かつ現実的なイノベーションの指針です。2050年のカーボンニュートラル実現にむけ、今、議論するべきテーマとして、現実的な議論の必要性、様々な道筋、イノベーションの役割と提示しまた、デジタル技術、エネルギーシステム統合、原子力、食品システム、ネガティブエミッション技術という5つの特定技術分野に焦点を当て、それらの課題と可能性について具体的な道筋を示す議論されました。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202111173487-O4-9jp5N87c

1.現実的な議論の必要性
これまでに120カ国以上がカーボンニュートラルを達成する意向を表明している。ICEFは、このような国家主導の脱炭素化への動きを歓迎する。しかし、IEAによれば、COVID-19の感染拡大によって2020年の二酸化炭素の排出は一時的に減少したが、再び増加し始めている。野心的な目標は、グリーンイノベーションとともに、政策、社会経済と行動の変化によってのみ達成することが可能である。カーボンニュートラルを実現するためにどのような技術を導入すべきか、それらの技術は、どのような時間軸で、どのように産業や社会に組み込まれるべきかについて、更に多くの深い議論が必要である。またそれを実現するには、企業や個人の考え方を変える努力や政府の政策のイノベーションも必要となる。

2. 様々な道筋
経済構造や自然環境は国や地域によって異なっており、それらに影響されるエネルギー需給システムも多様である。そのため、各国に適した政策やエネルギーミックスを実現することが重要であり、国や地域によってカーボンニュートラルを達成する時期が異なることもあり得る。したがって、国際協力は、国や地域の違いについての理解に基づいて、相互に有益となるように推進される必要がある。この点に関して、先進国は途上国を支援する上で重要な役割を担っている。市民社会では、カーボンニュートラルを達成する上で誰も取り残されてはならない。

3. イノベーションの役割
ICEFでは上記の1と2の重要性を念頭に置いて、カーボンニュートラルを達成するための実用的な道筋へ導く技術と社会のイノベーションについて、短期と長期の時間軸で議論を行った。

私たちは政策、ビジネス、行動という多面的なイノベーションを加速させる必要がある。政府は、民間セクターにおけるゲームチェンジやパラダイムシフトを促進するために、従来のエネルギーと環境政策を超越する必要がある。民間セクターは、技術、製品、サービスの創出に対してだけでなく、サプライチェーン全体を変革し、産業構造の変革を導く行動を取る責任を負っている。カーボンニュートラルを達成するためには人々の意識や行動の変化が必要となる。相互に関連する各分野に目に見える革新的な傾向が数多く見られることは励みとなる。全ての利害関係者は、カーボンニュートラルを達成するために行動を起こさなければならない。

私たちは再生可能エネルギーや水素など、カーボンニュートラルへの道筋において重要な役割を果たす様々な技術分野について議論してきた。ICEF2021はデジタル技術、エネルギーシステム統合、原子力、食品システム、ネガティブエミッション技術という5つの特定技術分野に焦点を当て、それらの課題と可能性について議論を行った。

○デジタル技術とエネルギーシステム統合の2つの領域は、カーボンニュートラル社会において強く関連している。「グリーン・バイ・デジタル」は、短期・長期的にエネルギー管理システムとサービスの両方のゲームチェンジャーとして大きな可能性を秘めている。同時に、エネルギー需要を削減する半導体などの「グリーン・オブ・デジタル」が必要となる。エネルギーシステム統合は、様々なエネルギーキャリアやセクターを相互連接するセクターカップリング技術の進歩により、社会全体のエネルギー需給を最適化することが可能となる。

○原子力も既存および将来の原子炉のための革新的技術の開発で役割を果たし、とりわけ小型モジュール炉(SMRs)などの柔軟性のある先進的な原子炉が注目を集めている。

○食品システムからの温室効果ガス排出は、情報通信技術(ICT)を用いた農業だけでなく、生産流通の技術や手続き上の変更によっても軽減が可能であり、長期的には消費者の食行動も大きな影響を及ぼしていく。

○炭素直接空気回収・貯留(DACCS)、バイオマス炭素除去・貯留(BiCRS)、炭素鉱物化などのネガティブエミッション技術は、削減が困難なセクターにおける温室効果ガスを中和するために不可欠であり、これらの技術コストを削減するために継続的な投資が必要となる。ジオエンジニアリングに関するコストや利益、関連リスクを研究する必要性も指摘された。 

4. 終わりに
ICEF2021は、2050年の社会で中心的な役割を果たす若い世代を議論の場に招待した。その意図は、世代を超えた対話と包摂を強調し、異なる見解をより良く理解するための次のステップを踏み出すためのものである。ICEFは、多様な利害関係者の関与を促す議論に若い世代の参加を引き続き歓迎する。
こうした活動を継続することで、カーボンニュートラルの実現に向けて現実的な議論が一層広がることを期待している。

Innovation for Cool Earth Forum 第8回年次総会(ICEF2021)
【開催テーマ】
 Pathways to Carbon Neutrality by 2050:
 Accelerating the Pace of Global Decarbonization
【日程】2021年10 月6 日(水)・ 7日(木)
【会場】オンライン開催
【共催】
 経済産業省(METI)/ 国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
 外務省(MOFA)/ 文部科学省(MEXT)/ 農林水産省(MAFF)/ 環境省(MOE)
【後援機関】
 国際エネルギー機関(IEA)/ ブルームバーグNEF(BNEF)
 国際連合工業開発機関(UNIDO)

■お問合せ先
ICEF運営事務局 株式会社コングレ内
〒103-8276 東京都中央区日本橋3-10-5 オンワードパークビルディング
E-mail: icef-pr@congre.co.jp

 

COP26_ICEF

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ICEF2021 Statement Infographics

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ICEF2021_Roadmap

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ICEF2021

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