プレスリリース

ホーム > プレスリリース一覧 > プレスリリース
共同通信PRワイヤー 共同通信PRワイヤー
2022年05月16日 16時00分 配信

超小型陽子線がん治療装置の原理実証に成功

株式会社ビードットメディカル
その他サービス業
世界最小サイズへの小型化実現性を証明、薬機申請に向け最終確認へ~陽子線治療普及で患者QOL向上に前進~

2022年5月16日
株式会社ビードットメディカル
大阪大学核物理研究センター

 株式会社ビードットメディカル(本社:東京都江戸川区、代表取締役社長:古川卓司、以下ビードットメディカル)と、大阪大学核物理研究センター(所在地:大阪府茨木市、センター長:中野貴志)は、開発中の超小型陽子線がん治療装置の原理実証を実施し、加速器で発生した陽子線が装置内部の超伝導偏向電磁石内で曲がり、アイソセンタ(※1)に照射されたことを確認しました。これにより、開発コンセプトである装置小型化の実現性が証明され、より副作用の少ないがん治療へのアクセス向上に向け、大きく前進しました。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202205161197-O3-27ggZg3V】 × 【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202205161197-O2-r6BXyxtm

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202205161197-O1-vEnP1sQC
原理実証を行った超小型陽子線がん治療装置

 今回の原理実証は、大阪大学核物理研究センターが推進する国際共同利用・共同研究拠点の取り組みの一環として実施したもので、核物理研究センター加速器施設においてアップグレードしたAVFサイクロトロンのビームを初めて利用する実験研究としても位置付けられます。原理実証では、加速器から発生した陽子線を自社開発した超伝導偏向電磁石(※2)に通し、偏向電磁石内で任意の角度に曲がることで、陽子線がアイソセンタに照射されることを確認しました。

 陽子線治療は2022年度の診療報酬改定において、大型の肝細胞癌、肝内胆管癌、局所進行膵癌又は大腸癌術後局所再発に係るもの(いずれも切除不能のものに限る)に適用範囲が拡大されました。さらに、内閣府が2021年6月に閣議決定した『経済財政運営と改革の基本方針2021』(※3)においては、「陽子線治療を含む粒子線治療装置の小型化・低コスト化の潮流を踏まえ、患者のアクセス向上を図る」と言及されており、陽子線治療に対する社会からの期待は高まってきています。そのニーズに応えるべく、ビードットメディカルはより多くの病院に陽子線治療を導入することで、より多くの患者さまに陽子線治療を届けます。今回、ビードットメディカルと大阪大学核物理研究センター福田光宏 教授らとの共同研究による原理実証で装置の健全性を確認したことで、次は薬機承認申請の準備に進み、2022年度中の薬機取得を目指しています。誰もが陽子線治療を受けられる社会の実現に向け、引き続き取り組んで参ります。

■患者さまのQOL(生活の質)向上へ貢献
 陽子線治療は体内深部にある腫瘍をピンポイントで正確に照射するため、X線治療に比べて周囲の正常な組織や臓器へのダメージが少なく、副作用を低く抑えることができます。そのため日常生活を大きく変えることなく、働きながらのがん治療が可能になるなど、患者さまのQOL向上が見込まれます。

■X線治療装置と並ぶ小型化への挑戦
 現在はごく一部の患者さましか受けられておらず、X線治療のように広く普及しているとは言えません。普及を妨げる原因は巨大で高額な装置にあり、病院への導入には高額な初期コストと十分な設置スペースが必要であることから、全国で19施設しか稼働していないのが現状です(2022年4月現在)。

 この現状を踏まえ、ビードットメディカルは陽子線治療の普及を目指し、従来構造とは全く異なるコンパクトな陽子線治療装置を開発しています。従来装置は患者周りを筺体(ガントリー)が回転することで陽子線を様々な方向から照射するという構造ですが、ビードットメディカルは、陽子線を高磁場の超伝導電磁石内で曲げることで任意の角度から照射するという「非回転ガントリー™」を考案しました。この独自技術により装置をX線治療装置と同程度のサイズにまで小型化し、これまで陽子線治療の導入が困難であった都市部や、コストを理由に検討を断念していた病院への導入を促進することで、施設数の大幅増加に貢献していきます。

※1 機械的な各回転駆動軸の交点。
   転じて、放射線療法において、放射線がもっとも集中して照射される部位を指す。
   (『粒子線治療装置の物理・技術的QAシステムガイドライン』より)

※2 2021年6月25日付プレスリリース
   「超伝導技術を用いた小型陽子線用偏向電磁石の開発に成功」
   https://bdotmed.co.jp/news/20210625/

※3 経済財政運営と改革の基本方針2021(内閣府)
   https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2021/decision0618.html

 
■ビードットメディカルについて
 株式会社ビードットメディカルは、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所(以下放医研)発のベンチャー企業で、放医研で培った高度な技術と経験を活かし、「超小型陽子線がん治療装置」を開発しています。東京都江戸川区に本社を持ち、日本の技術革新力で世界に挑戦します。
 従来の装置構造とは全く違う、陽子線を任意の角度に曲げるという技術を用いることで、装置をX線治療装置と同程度まで小型化・低価格化します。これまでスペースやコストを理由に陽子線治療の導入が困難であった病院への導入を可能にし、陽子線治療へのアクセス向上を目指しています。

■会社概要
会社名 :株式会社ビードットメディカル
所在地 :〒134-0003 東京都江戸川区春江町5-10-10
代表者 :代表取締役社長 古川卓司 
設立  :2017年3月1日
事業内容:陽子線がん治療装置の開発
     粒子線がん治療に関わるコンサルティング等
会社HP :https://bdotmed.co.jp/

■大阪大学 核物理研究センター(RCNP)について
AVFサイクロトロンおよびリングサイクロトロンからなる加速器施設を擁した国際共同利用・共同研究拠点です。大学附置の加速器としては国内最大で、その特性を活かしながら、原子核物理学とその応用分野の最先端研究を推進しています。大阪大学の中でも特色のある研究・教育の場を提供するとともに、国際共同利用・共同研究拠点「国際サブアトミック科学研究拠点」として、国内のみならず、全世界の研究者との共同研究を通して、基礎物理学の実験研究、理論研究を推進しています。

■問い合わせ先
株式会社ビードットメディカル 経営企画室
代表TEL:03-6803-8731 部署TEL:050-5370-5809
Email: info@bdotmed.co.jp

国立大学法人大阪大学 核物理研究センター
研究企画室 青井考
TEL:06-6879-8854
Email: aoi@rcnp.osaka-u.ac.jp

ビードットメディカル PR 事務局 (株式会社プラチナム内)
担当 石原・佐藤
TEL:03-5572-6071
Email: bdotmedical-pr@vectorinc.co.jp

原理実証を行った超小型陽子線がん治療装置

原理実証を行った超小型陽子線がん治療装置

本プレスリリースは発表元が入力した原稿をそのまま掲載しております。詳細は上記URLを参照下さい。また、プレスリリースへのお問い合わせは発表元に直接お願いいたします。
【テ ー マ】 新技術・研究開発・特許
【ジャンル】 健康・ヘルスケア、科学技術・工業技術、産業用・業務用機械・機器、医学・医療・看護